南西地方・ベルジュラックのワイン(Sud-Ouest&Bergerac)
1.南西地方のワインの産地
1-2.南西地方のA.O.C.ワイン
2.ベルジュラック(ドルドーニュ)ワインの産地
2-1.ベルジュラック(ドルドーニュ)のA.O.Cワイン
1.南西地方のワインの産地
南西地方,シュッドウエストはガロンヌ川上流域からピレネー山脈北麓にかけてのワイン産地です.生産地は広い範囲に点在するため,土壌・気候・ブドウ品種が多彩で,多くの個性的なワインが造られています.フランスの中でも白ワインの産地として有名なジュランソンは以前からAOCが認められていました.その他のワイン生産地の多くはVDQSでしたが,1980年頃から次第にAOCを取得しています.
VDQSワインの産地はロト川上流のヴァン・ダントライグ・エ・デュ・フェル,ヴァン・デステン,ガロンヌ川流域のコート・デュ・ブルーロア,ヴァン・デュ・ラヴィルデュー,ポー市北方コート・ド・サンモン,トゥルサンがあります.ガロンヌ川西側一帯ではアルマニャックブランデーが造られていますが,ここではヴァン・ド・ペイのコート・ド・ガスコーニュの生産が増えてきています.
1-2.南西地方・ベルジュラックのワインワインのA.O.C.
カオール(Cahors)
カオールはガロンヌ川の支流ロト川の両岸に広がる生産地.白ワイン,ロゼワインも少量生産していますが,AOCは赤ワインのみです.カオールではボルドーでも使われているマルベック種を主に使い,タンニンが多く,深い色合いから「黒いワイン」ともよばれています.カオールのワインはコクのあるワインで,通常熟成に数年かかります.
マルシヤック(Marcillac)
カオールからロト川をさかのぼりアヴェロン県に入ると,マルシヤックがあります.マルシヤックではフェール・セルヴァドゥー種からスパイシーでコクのある赤ワインが造られています.
ガイヤック(Gaillac)
トゥールーズの北東にはガイヤックがあります.ガイヤックは赤ワイン・白ワインと発泡性のガイヤック・ムスーのAOCを持っています.ガイヤックで産するワインは非常に多彩で,白ワインは甘口から辛口まで,発泡性のワインも様々な発泡度合いとなっています.
コート・デュ・フロントネ(Cotes du Frontonnais)
ガイヤックの西側にはコート・デュ・フロントネがあります.赤ワイン・ロゼワインが造られており,トゥールーズの地酒的ワインです.日本でもたまに見かけます.
ビュゼ(Buzet)
ガロンヌ川左岸のロト川と合流するあたりにはビュゼの産地があります.ビュゼではボルドータイプの赤ワインが造られており,比較的安価なのでお買い得です.
コート・デュ・マルマンデ(Cotes du Marmandais)
コート・デュ・マルマンデはジロンド川両岸に広がる産地で,ボルドーに接しています.コート・デュ・マルマンデのAOCは赤ワイン・白ワインで軽めのワインです.
マディラン(Madiran)
マディランは南西地方特有のタナ種から主に作られる力強い赤ワインです.口当たりを滑らかにしたり,熟成を早めるためにカベルネ種をブレンドすることもあります.マディランのワインはタンニン分が多いため長く熟成させることが出来ます.
ジュランソン(Jurancon)
ジュランソンはピレネー山脈の北麓,ポー市南にあるワイン産地です.ジュランソンのAOCは白ワインのみで,辛口ワインと遅摘みによる甘口ワインが造られています.ジュランソンが造られるガスコーニュ地方はフォアグラの名産地でもあり,地元ではアペリティフとして楽しまれています.
ベアルン(Bearn)
ベアルンは赤ワイン・白ワイン・ロゼワインのAOCを持っています.ベアルンで造られるワインは一般に長く熟成させずに早めに飲まれます.
イルーレギ(Irouleguy)
イルーレギの産地はバスク地方南端にあり,スペインと接しています.イルーレギでは赤ワイン・白ワイン・ロゼワインを生産しています.