コート・デュ・ローヌワイン(Cotes du Rhone)
1.コート・デュ・ローヌワインの産地
2.コート・デュ・ローヌワインのA.O.C.
3.クリュ名ワイン
1.コート・デュ・ローヌワインの産地
コート・デュ・ローヌ地区は,ボルドーに次ぐブドウの栽培面積を誇っています.コート・デュ・ローヌワインはローヌ川沿いのヴィエンヌからアビニオンにかけて南北約200kmの地域で生産され,北部と南部とでは自然条件が異なるため,多様なワインがあります.
ヴァランスより北の地域は大陸性気候に属し夏でも南部ほど高温になりません.土壌は花崗岩や片磨岩質からなり,ローヌ川に面する急斜面部に段々畑のようにブドウ畑が作られています.
ヴァランス以南は地中海性気候に属し,夏は高温で降水量が少なく乾燥しています.土壌は石灰岩質でここでは広大なブドウ畑が見られます.
2.コート・デュ・ローヌワインのA.O.C.
クリュ名ワイン
コート・デュ・ローヌ地区ではクリュ(特定の地区名)の名前が付いたワインが最も格上になります.全部で13クリュがあり,北からコート・ロティ(Cote Rotie),コンドリュー(Condrieu),シャトー・グリエ(Chateau Grillet),サン・ジョゼフ(St-Joseph),クローズ・エルミタージュ(Crozes Hermitage),エルミタージュ(Hermitage),コルナス(Cornas),サン・ペレー(St-Peray),ジゴンダス(Gigondas),ヴァケイラス(Vacqueyras),シャトー・ヌフ・デュ・パープ(Shateauneuf du Pape),リラック(Lirac),タヴェル(Tavel)があります.
コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ(Cotes du Rhone Village)
コート・デュ・ローヌ地区の中でも,特定の村で作られる特に品質の良いワインです.村名を記すことが出来る村は,ロシュグド(Rochegude),ルセ・レ・ヴィーニュ(Rousset-les-Vignes),サン・モーリス(Saint-Maurice),サン・パンタレオン・レ・ヴィーニュ(St-Pantaleon-les-Vignes),ヴァンソーブル(Vinsobres),ボーム・ドゥ・ヴーニーズ(Beaumes de Venise),ラストー(Rasteau),ケランヌ(Caranne),ロエックス(Roaix),サブレ(Sablet),セギュレ(Seguret),ヴァルレアス(Valreas),ヴィザン(Visan),シュスクラン(Chusclan),ロダン(Laudun),サン・ジェルヴェ(Saint-Gervais)の16村です.
このうちラストー(Rasteau)で産する甘口ワインはA.O.C.ラストーを名乗り,ボーム・ドゥ・ヴーニーズで産する天然甘口ワインは,A.O.C.ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴ-ニーズ(Muscat de Beaumes de Venise)を名乗ることが出来ます.この甘口ワインは醗酵の途中でブランデーを加えて醗酵を止め,甘口に仕上げています.
リカーショップでコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュのワインは良く見かけます.注意深く探すと,村名ワインも見つかるかもしれません.
コート・デュ・ローヌ(Cotes du Rhone)
コート・デュ・ローヌ地区で生産される,クリュ名ワインとコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュを除いたすべてのワインがコート・デュ・ローヌの名前で販売されます.
コート・デュ・ローヌのワインは酒類を扱う店で大概置いてあります.同じ銘柄の赤・白ワインを並べてあるのを良く見かけます.1000円前後で購入できますので一度お試しください.
コトー・デュ・トリカスタン(Coteaux du Tricastin)
コート・デュ・ローヌ地区の周辺には,独自のA.O.C.を名乗るワイン生産地区があり,比較的最近になってAOCに指定されています.コトー・デュ・トリカスタン地区は1964にV.D.Q.S.に指定され,1973年にA.O.C.に昇格しました.早期熟成の赤・白・ロゼワインが作られています.
コート・デュ・ヴィヴァレ(Cotes du Vivarais)
コート・デュ・ヴィヴァレは1999年にA.O.C.に昇格されました.コート・デュ・ヴィヴァレは,軽い赤・白・ロゼワインが生産されています.ドメーヌ・ガルティ(Domaine Gallty)が有名.
コート・デュ・ヴァントゥー(Cotes du Ventoux)
コート・デュ・ヴァントゥー地区は1973年にA.O.C.に昇格しました.コート・デュ・ヴァントゥーでは赤・白・ロゼワインが生産されていますが,赤ワインの生産量が最も多くなっています.日本への輸出量も多くリカーショップでも良く目にします.値段も手ごろです.
コート・デュ・リュベロン(Cotes du Luberon)
コート・デュ・リュベロン地区はかつては地酒の産地でしたが,1988年にA.O.C.に昇格しました.シャトー・ヴァル・ジョアニス(Chateau Val Joanis)などが有名.
コスティエール・ド・ニーム(Costieres de Nimes)
コスティエール・ド・ニーム地区は1989年にコスティエール・デュ・ガール(Costieress du Gard)から改名されました.生産されるワインはミディアム・ボディの赤ワインと白・ロゼワインです.かつては地酒の産地でしたが,近年では良質のワインも生産されています.
クレレット・ド・ベルガルド(Clairette de Bellegarde)
コスティエール・ド・ニーム地区に囲まれるベルガルド村がワインの産地です.クレレット・ド・ベルガルドで作られるワインは軽い辛口の白ワインです.