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フランスワイン

目次

1.フランスワインの等級

2.ラベルの見方

3.フランスワインの産地

世界1の生産量と多くの高品質(偉大なる,と呼ばれる)のワインを産出するワイン大国です.ワインはフランス北部の気温の低い地方や山岳部を除いてほぼ全土で作られています.ワインの性格からおよそ12の産出地域に分けられています.

フランスワイン生産地域

1.ボルドー(Bordeaux)

フランス南西部のジロンド川下流部に広がる,およそ15万ヘクタールに及ぶ広大な産地です.ボルドーでは赤ワイン,辛口と甘口の白ワインなど様々な種類のワインが作られています.中でも,メドック地区などで作られるコクのある一級品の赤ワインは,ワインファンの人気を集めています.ボルドーの醸造場は城館(シャトー)のようなたたずまいをしているものが多く,一定水準以上のワインは名前にシャトーの文字が見られます.シャトー・マルゴーなど.

2.ブルゴーニュ(Bourgogne)

フランス東部のローヌ川上流域の丘陵地帯に広がるフランスを代表する産地です.ボルドーほど広くは無いので,生産量は多くはありません.そのため高価なワインが多く,中には入手が非常に困難なワインもあります.赤ワインは優れたものが多く,ボルドーのワインと肩を並べるものがあります.白ワインは辛口で傑出したものが多く,世界中で超えるものが無いとも言われます.ブルゴーニュ南部のボージョレー地区は北部に比べカジュアルなワインを産し,ボージョレー・ヌーボーが有名です.

3.シャンパーニュ(Champagne)

パリの東側に広がる丘陵地帯でシャンパーニュ(シャンパン)の産地です.シャンパーニュを名のれるのはこの地域で作られたもののみで,他の地域で作られた発泡性のワインはヴァン・ムスー(Vin Mousseux)と呼ばれます.シャンパーニュを作るのに使われるブドウは,ピノ・ノワール(黒ブドウ),シャルドネ(白ブドウ),ピノ・ムーニエ(黒ブドウ)の3種です.黒ブドウからなぜあの黄金色のシャンパーニュが出来上がるかというと,ブドウを搾った果汁のみを醗酵させるからです.中にはバラ色のロゼワインもありますが,値段は高めです.

4.ロワール(Val De Loire)

ロワール川は全長1000kmに及ぶフランス1長い川です.ロワール川上流域はフランス中央部に位置し,辛口の優雅なプイイー・フュメなどの白ワインを産出します.中流部の産地はフランス西部の都市トゥール周辺に広がり,赤・白・発泡性のワインが造られています.この地域はワインよりも古城巡りの方が有名かも知れません.下流部はアンジュー地区とナント地区に区分されます.アンジュー地区はロゼワインが有名ですが,発泡性のワインや貴腐ワインなどの甘口の白ワインも作られています.ロワール川河口に位置するナント地区は,辛口白ワインのミュスカデが有名です.魚介類との相性が良いので日本でもよく目にします.

5.アルザス(Alsace)

アルザス地方は,隣接するドイツとの石炭や鉄鉱石をめぐる領有権争いの場となりました.最終的にフランス領となったのは第一次世界大戦後です.そのためフランスの中でも独特の文化を持ち,それはワインにも現れています.アルザス地方で作られるワインのブドウはドイツワインに使われるリースリングなどで,ボトルもドイツワインを思わせる背の高いなで肩をしています.アルザスのワインは赤ワインもありますが辛口の白ワインが主体となっています.

6.ジュラ(Jura)

ブルゴーニュの東方80kmほどにある,南北に細長い丘陵地帯がジュラワインの産地です.ジュラのワインは個性的なものが多く,黄色ワイン(ヴァン・ジョーヌ)と藁ワイン(ヴァン・ドゥ・パイユ)が知られています.黄色ワインはワインをカシの樽で数年間熟成させたもので,ボトルが背の低い寸胴のような形をしています.藁ワインはブドウを藁の上で日光に当てて糖度を高め,甘口ワインに仕立てたものです.日本ではたまに目にすることがあります.

7.サボア(Savoie)

リヨンとスイスのジュネーブの間にあるローヌ川沿いの丘陵地帯やアルプスの山麓でサボアワインは作られています.この地区は氷河期にはアルプスから流れる氷河に覆われていて,丘陵の上には氷河が運んできた堆積物があります.これがワインを造るのに適した土壌となっているようです.辛口の軽い白ワインが主です.

8.コート・デュ・ローヌ(Cotes du Rhone)

ヴィエンヌからアヴィニョンまでのローヌ川沿い一帯がコート・デュ・ローヌワインの産地です.ここでは様々な種類のワインが作られています.コート・デュ・ローヌの産地は長さが約200kmに及ぶため,北部と南部では気象条件が異なり,産出するワインに違いが見られます.北部はエルミタージュ・シャトー・グリエなどの有名なワインを多く産します.南部は地中海性気候になり,夏は暑く乾燥するためシャトーヌフ・デュ・パープなど色の濃いコクのあるワインが作られます.タヴェルのロゼワインも有名です.

9.プロバンス(Provence)

地中海性気候のため夏には非常に強い日射を受けるため,アルコール度の高いワインを産出します.赤ワイン,白ワイン,ロゼワインが造られています.地中海名物の魚料理に合わせるためでしょうか,軽いワインを多く産します.バンドールの赤ワインが有名です.

10.ラングドック・ルーション(Languedoc,Roussillon)

プロバンスからスペインとの間に広がる広大な地域で,フランス最大の量産地となっています.手軽に楽しめる日常消費用のワインが主ですが,近年ではA.O.Cを名のれるワインも増えています.赤ワイン,辛口・甘口白ワイン,発泡性ワイン,ロゼワインと各種のワインが作られています.

11.南西地方・ベルジュラック(Sud-Ouest,Bergerac)

南西地方はボルドーの東からピレネー山脈の麓にかけて点在するワイン産地です.ベルジュラック,カオール,ガイヤック,ジュランソンなどの地区に分けられていて,それぞれ特徴のあるワインが作られています.