3.コート・デュ・ローヌ-クリュワイン(Cotes du Rhone)
1.コート・ロティ(Cote Rotie)
コート・ロティ(Cote Rotie)ヴィエンヌの近く,ローヌ川右岸にあります.フランス最古のブドウ畑の一つで,急な斜面に200haにわたって段々畑状に作られています.コート・ロティでは黒ブドウのシラー種を80%以上使い,コクのある赤ワインが作られています.
2.コンドリュー(Condrieu)
コンドリュー(Condrieu)はローヌ川右岸にある,100ha程のブドウ畑です.コンドリューは白ブドウのヴィオニエ種のみで白ワインです.辛口の白ワインで若いうちに飲むものとされています.
3.シャトー・グリエ(Chateau Grillet)
シャトー・グリエ(Chateau Grillet)はコンドリューの南に接する面積わずか3.5ha(2001年度)のブドウ畑.現在は一人のオーナーの単独所有となっています.年間生産量は年によって異なりますが15,000本程度で,たいへん高価なワインです.シャトー・グリエのワインはヴィオニエ種で作られる辛口の白ワインで,早めに飲むものとされています.
4.サン・ジョゼフ(St-Joseph)
サン・ジョゼフ(St-Joseph)はシャトー・グリエの南からトゥールノンにかけて,ローヌ川右岸の長さ50kmにわたって点在するブドウ畑です.全体で920haに達するローヌ川右岸最大のワイン産地です.ここで産するワインは以前から高く評価されていましたが,AOCサン・ジョゼフが認定されたのは比較的最近の1956年から1969年にかけてです.シラー種90%以上を使ったコクのある赤ワインと,ルーサンヌ種とマルサンヌ種を使った辛口白ワインが作られています.
5.エルミタージュ(Hermitage)
エルミタージュはトゥールノンの町の対岸,ローヌ川右岸の丘の上にあります.140haのブドウ畑から作られるワインは,8割がシラー種から作られる赤ワインで,非常にコクのある長期熟成できるものです.エルミタージュでは,少量ですが,ルーサンヌ種とマルサンヌ種を使った白ワインが作られています.
我が家のホームパーティーでは,赤ワイン好きが多く集まりますが,このエルミタージュとイタリアのバローロが人気を二分しています.
6.クローズ・エルミタージュ(Crozes Hermitage)
クローズ・エルミタージュはエルミタージュの丘の周辺の斜面に広がるブドウ畑.面積は1200haに達し,コート・デュ・ローヌ北部地区最大のクリュです.赤ワイン・白ワインともエルミタージュのワインに似ていますが,より軽いものです.クローズ・エルミタージュのワインはリカーショップでもよく目にし,価格はエルミタージュよりかなり求めやすいので,手軽に味わうことが出来ます.
7.コルナス(Cornas)
コルナスはヴァランス付近の,ローヌ川右岸にあります.急斜面にある段々畑のブドウ園は90haほどの面積があります.コルナスのワインはシラー種から作られる赤ワインで,コクがあり長年熟成させることが出来ます.
8.サン・ペレイ(St-Peray)
サン・ペレイはヴァランス対岸,ローヌ川右岸にあります.55haのブドウ畑には白ブドウのマルサンヌ種とルーサンヌ種が植えられています.サン・ペレイで作られるワインは,辛口の白ワインと,発泡性のワイン(St.-Peray Mousseux)です.日本でも時々見つけることが出来ます.
9.シャトーヌフ・デュ・パープ(Chateauneuf du Pape)
シャトーヌフ・デュ・パープはアヴィニョンの北にある,面積3150haに及ぶ広大なクリュで,年間750万本ものワインを生産しています.グルナッシュ, サンソー,ムールヴェードル,シラー,ミュスカルダン,クーノワーズ,クレレット,ブールブラン種など13種類のブドウが使われています.シャトーヌフ・デュ・パープは氷河期には河原であった部分が台地化したところにあるため,地表は大小さまざまな礫に覆われています.夜間にはこの礫から熱が放射されブドウ果実の熟成に役立っています.日照時間が長いことと相まってコクのあるアルコール度数の高いワインとなっています.広大なクリュですので,栽培場所によりワインの質が異なっているのも事実です.シャトーヌフ・デュ・パープは日本でも人気があり,リカーショップでも良く目にします.
10.ジゴンダス(Gigondas)
ジゴンダスはシャトーヌフ・デュ・パープの北東にある,面積1230haのクリュです.コクのある赤ワインとロゼワインが作られています.シャトー・ド・サン・コム(Chateau de Saint Cosme)などが知られています.
11.タヴェル(Tavel)
タヴェルはアビニョン北西の面積950haのクリュです.タヴェルでは黒ブドウと白ブドウを絞った果汁を混合・醗酵させ,ロゼワインが造られています.日本でも販売されていて,一度は見たことがあるのではないでしょうか.ただしタヴェルとよく似ているワインにロゼ・ダンジュー(ロワール地方.こちらも有名)がありますので,購入の際にはラベルを良く確認してください.
12.リラック(Lirac)
リラックはタヴェルの北東に隣接する面積420haのクリュ.リラックでは,赤ワイン・白ワイン・ロゼワインと様々な種類のワインが作られていますが,コクのある赤ワインの人気が高まっているようです.
13.ヴァケイラス(Vacqueyras)
ヴァケイラスがAOCに昇格したのは比較的最近1990年になってからです.ヴァケイラスでは1300haの広いブドウ畑から,コクのある赤ワインが生産されています.白ワインとロゼワインのわずかに生産されています.